■ 施工にあたって:

今回の家づくりは教師を勤める施主様が、
教え子である阪口製材所の阪口様、大工の辻田様に家づくりを依頼されたところから始まりました。

施主様が所有している山から桧の木を伐りだし、それを製材所の阪口様ご自身が製材・加工、
大工である辻田様がその材を使用して家を完成させていく…
教え子の恩師に対する感謝の念が伝わるように、
木の美しさ、大工の腕がより感じて頂けるよう心掛けました。

 

■プランにあたって:萩野設計工房 一級建築士事務所

家族が集う空間を中心にして吹き抜けを介し、2階にある各個室が続いているので
いつも家族の気配を感じることができます。
そしてそれらをつなぐ動空間は、回遊性を楽しむことができ
単なる動線としてのみでなく、曖昧なもう一つの空間を生み出します。
動空間には読書スペース、その奥に、共用の書斎スペースが設けられ、
この建物で唯一の北向きの部屋となっています。
開口によって切り取られた景色が落ち着きを与えてくれます。
お父さんの寝室や、お茶を楽しむための和室の続き間は、
生活時間帯の違い等を考えて玄関ホールから直接入れるように計画しました。
寝室のベッドの横にトイレを設け、夜間の対策も取っています。
今は、落ち着いた雰囲気を優先して畳敷きにしていますが、将来板張りに替えることもできます。
必要になった時のために、段差昇降機の設置や、デイサービスの車の寄り付きも想定して
廊下等広く設けています。(必要にならないことが一番ですね)
シンプルな空間構成ですが、それ故に飽きることなく楽しい暮らしが続くのではないでしょうか。

  1. 三世代が暮らすことを配慮した動線プラン
  2. みんなが使いやすい動空間に配された読書スペース、書斎スペース
  3. 将来介護が必要となったことを想定した計画

DATA

竣工:2014年9月
構造・規模/木造2階建
場所:奈良県御所市

敷地面積/561.63m²
延床面積/169.77m²
設計/萩野設計工房 一級建築士事務所

2014.12.20|WORKS