■ 施工にあたって:

基礎コンクリートに直接熱をため、蓄熱した熱を放熱し
建物全体を暖める暖房方式を採用しました。
放熱による暖房のため風がでないので気持ち良く、乾燥しすぎずに暖まります。

この方式では、基礎本体の直下に暖房設備を施工するため
後々修理することが難しくなります。そのため、下地も大事なのですが
配線やアースの確認も基礎の工程ごとにチェックを重ねました。
当たり前のことではありますが、見えなくなる部分ほど気を使い丁寧な仕事が必要です。
下地をいかに丁寧に施工するかで仕上がりの良し悪しも決まるのです。

ひび割れなどが出ないように、また、美しい仕上げを保つために、
使用する木材はもちろん全て乾燥材です。
壁や天井の中に隠れてしまう断熱材も、断熱本来の性能を発揮できるよう正しい施工を施します。
このような下地工事を行い、外壁には松彦オリジナルの左官で仕上げ
内部の壁は「エコクイーン」という漆喰珪藻土で仕上げました。
床の赤松は肌当りが柔らかく暖か。
施工時期が梅雨とあって、カビが発生しやすい場所に
ハイブリッド触媒(アパタイト)を施工しました。

 

■プランにあたって:家吉建築デザイン/若山勉
家の中央部に大きな吹き抜けがあり、
上階との繋がりが持てるリビングが欲しいという施主さまのご希望でした。
部屋の間仕切りに引き戸を採用することで空間が穏やかに繋がり、
必要な際はプライバシーも確保できるようにしました。
壁面には珪藻土や和紙を使用し、床材には赤松を採用するなど、
自然素材の仕上げ材にもこだわりを。
自然と人の温もりが感じられる爽やかで明るい空間での、
家族の楽しい団らん風景を思い浮べながら設計しました。

  1. リビング全体が大きな吹き抜けになっており、自然素材をふんだんに取り入れました。
    こうすることで採光も良く、部屋の中にいるのに
    森の中でのんびりとピクニックをしているような気分に。
  2. 壁一面に造り付けの書棚を設計しました。
    趣味や仕事の時間に思う存分集中するための空間です。
  3. 階段を踏み板だけにすることで抜け感が増し、より広い印象に。
  4. ナチュラルテイストのカフェのように、くつろげるダイニングキッチンです。
  5. 玄関を配した道路側は、極力窓を少なくして屋内のプライベート感を高めました。

 

DATA

構造・規模/木造2階建
敷地面積/185.75m²(56.0坪)
延床面積/120.73m²(35.5坪)
設計/家吉建築デザイン

2012.06.19|WORKS